監察医 朝顔(2020) 7話 感想|孤独編から漂うパワーワード感が辛い
本作はあくまでも「法医学」に焦点を当てた作品なので、
犯人が取調室で自白したり、終盤で逮捕されたり…といった
刑事ドラマらしい展開はなし。でも、それが"らしさ"なので良いのです。
撃たれた脳の部位によっては即死しない場合がある(軽くホラーやったな…)。
コンテナに閉じ込められると腐敗が進んで、死亡時刻の判断を狂わせる。
解剖オタク="謎"をひたすら突き詰めるプロ集団の調査から
次々と明かされていく真相が興味深い。
ただ、聖奈を撃つまでに至った動機や関係性は知りたかったですし、
監察官(松角洋平)が「ちっ…」みたいな表情で退場する姿に
ちょっとしたモヤっと感は残りはしました(笑)何か言う事はないんか!とw
存じ上げない役者さんでしたが、三白眼なのが効いてましたねぇ。
今度は違うジャンルの作品で、取調をメインに取り扱った作品でお目にかかりたいですね。
つぐみ(加藤柚凪)の「よいしょ!よいしょ!」と平(時任三郎)の脚にしがみつくシーンも、
自分もやられてみたいほど癒されましたけど、
中でも印象に残ったのは、朝顔(上野樹里)と平の2人でのシーン。
職場の仲間からはいつも信頼されていて、
茶子先生(山口智子)も彼女の事をしっかり見てくれているのだと分かる描写があって…からの、
父にはあどけなさを見せるというギャップが良い。
「お父さん、まくら臭い」「ごめん、嘘」「いや、やっぱり臭い」
子供は親を前にするといつまでも子供で、時にその温もりを求めてしまいたくなる事が
あるんだなぁ…という、朝顔の新たな一面が知れた所に新鮮味がありました。
お別れの日だからとご飯を豪勢にするのではなく、
そうめんをササっと作って、2人で食べながら録画の話や買い物の話をするシーンも妙にリアル。
ようやく解決した前後編で1つ分かった事とすれば、
“相手を想いながら"の丁寧な暮らしをしていれば
それを支えようとしてくれる人も出てくるし、
その真摯さは仕事にも現れるのだ…という事。
桑原(風間俊介)も同じで、普段から信頼の出来る仕事っぷりを見せていたから、
どんなに窮地に立たされた状態でも辛抱強く証拠を探し続けて
無実を信じる人がいてくれた。
しかし、人と人の繋がりの貴重さを上回る"理不尽な運命"も時にはある訳で…
「新章 孤独編」の予告が辛いですなぁ。
「胸騒ぎ」も「孤独」も、本作では見聞きしたくないワード過ぎました(泣)
平の引越し。桑原の長野へ左遷の件。
まぁ、無実だったにせよ、聖奈に単独で会いに行っていたのは
処罰を受けても仕方のないほど迂闊でしたからね…。
本作の世界では、涼しそうな服で、そうめんを食べていて、
さらにはセミも元気良く鳴いている…という、まだまだ夏の状態。
予定通り夏秋の2クール放送だったら、
悲しい感情を引きずったまま年越しなんて事もなかったかもしれないのに。
以前買ったテレビ誌の番組表には、再来週も本作の名前が載っていましたけど、
年末なのに本当にやるんでしょうか。
良い感じに…一区切りつけて欲しいなぁ(願望)