少年寅次郎スペシャル 前編 感想|リンゴが食べたくなっちゃう前編。
ああ…連ドラの頃もそうでしたけど、
やっぱり井上真央さんのお母さんっぷりが堪らんですなぁ。
基本的に世話焼きな性格でも、足を引っ掛けるといういたずらっ子っぽい一面も覗かせつつ、
寅次郎に愛情いっぱい与える時は思いっきりくしゃっとした笑顔をされていて。
内から滲み出る母性と愛らしさが同居しているような佇まいが、
光子というキャラクターをさらに魅力的にさせてくれます。
寅次郎(藤原颯音)は勿論、正吉(きたろう)も
「すりおろしのリンゴが食べたい」と言ったのにも納得出来る。
頬に手を当てながら「こら!もう〜〜〜」と怒る時の表情を見ようもんなら、
何度だっていたずらしたくなっちゃいますよ(笑)
でもって、お見舞いシーンではげっそりとした体に…1年ぶりに演技を堪能いたしました。
内容の方は蔵出しエピソードという感じ。
連ドラでの話を織り交ぜながら、過去と現在を行き来して物語が進んで行くのですが、
ただの総集編で終わらせない作りが粋だなぁ…と。
こんな日もあったんだ。寅次郎はこの時に何かを学んだんだ。
新たな発見が出来るのが楽しい。
(当時は認識していなかった森七菜さんが出演されていたのも、個人的には新たな発見。)
当時は5話という短い話数の中、
日常エピソードがクスッと笑えて微笑ましい内容ばかりだった分、
もっとこの世界を生きる人々の生活を覗き見してみたいな〜と思っていたので、
リンゴから次々展開されていく思い出話を聞けて満足でした。
「俺、リンゴがもう大っ嫌いで」「母ちゃんが全部食べるしかないよ」
照れ臭いのか、顔を逸らして優しい嘘をつく所が
“寅さん"らしさ全開で泣けてしまって。
本当にお母さんの事が好きで、愛情をいっぱいもらった恩返しがしたいんだという
寅次郎の真っ直ぐな気持ちが伝わるよう。
で、このお見舞いシーンを見ちゃうとねぇ…
あんな態度で帰ってきた平造(毎熊克哉)を憎たらしく感じるのにも
より共感出来てしまうんですよね(笑)
一生懸命看病していたのにって考えたら…確かにムカつきますってw
連ドラの録画、残っていたかしら。
今回の内容を知った状態で、また最終回でも見返したくなっちゃったな。
そんな平造も、約10年経ったら遺影に。
彼の現実逃避したくなる気持ちも分からんでもないんですけどね。
でも、喧嘩して会わないまま亡くなってしまったんだろうと思うと…ちょっぴり切ないです。
後編もじっくり見守らせていただきます。