パリピ孔明 4・5話 感想|待った甲斐のあったラップバトル!
4話「ラップバトル開幕!!」
凄い。約15分もラップバトルを見られるとは、なんて贅沢な(笑)
来週に引っ張るのは基本苦手なタイプなんですけど、これは待った甲斐があり過ぎたわ〜…。
存分に見せて下さってありがとうございます…の気持ちですw
感情に乗せて、こんな奴に負けてたまるか!!という勢いや情熱を感じさせる
KABE(宮世琉弥)のラップに対して、
孔明(向井理)のラップは、最初はリズムに合わせて歌っているだけだったり
(途中から韻を踏んでいて成長は見えたけどw)、漢詩を交えてきたりとかなり自由。
そんな個性のぶつかり合いのラップバトルも、対比がはっきり効いていて面白かったのですが、
お二方の演技も見応えがありましたね。
宮世琉弥さんは、本作のためにラップを鍛えたとは思えないくらい
天才ラッパーを堂々と演じられてましたし。
向井理さんは衣装効果もあってか、どんな者が現れても一切動じないような
王者の風格を漂わせていました。
今回は、前半はラップバトルならば、
後半は"次回への繋ぎ"といった感じで、英子(上白石萌歌)が10万イイネをもらう
作戦を実行する様子が描かれるという、二部構成の形に。
「必ずや、英子さんの歌声を天下に響かせ、迷える民草の心を救いましょう」
孔明が撒いた紙吹雪が英子の手のひらに落ちて、握りかけるカット…
彼女もきっと、今度は自分が観客を感動させる番だと覚悟を決めたんでしょうね。
そのカットを見て、成功して欲しい気持ちが高まっただけに。
後の編曲家とのシーンでは、編曲家が会話をしている相手は英子なのに
スピーカーしか映されないのが「自分がない(英子が見えない)」のを物語っていて、
現実を突きつけられたようで切なかったです。
道のりはまだまだ長そうですねぇ…。
「断琴の交わり」がどういう意味なのかが分からなかったので後から調べてみたら、
「非常に親密な友情・交際」を指すんですね。
そして、七海(八木莉可子)は好敵手でもあるとも言われていた。
バックにAZALEAの電子広告が映っていたという事は、
親友でもあり、大ボスを倒すにあたっての第一関門=ライバルでもあるんでしょうか?
次回は2人の関係性が深まる様子が描かれるみたいで、
胸熱展開になるんじゃないかな?という気がしております。
八木さんの歌声も、ハスキーかつ清涼感があって、
英子がもっと歌を聴いてみたくなるのも頷けました。
5話「孔明、敵陣に潜入!?」
冒頭のおさらいで、資料が見えた時にNANAMIの文字が見えて気づきましたよ。
七海…AZALEAのメンバーだったんですねぇ。←原作未読・アニメ未視聴なもので…w
てっきり別人かと思っておりました。それなら、ラストの意味深な演出も納得。
今回で10万イイネ作戦は終わりかと思いきや、
意外と…と言って良いほどに、英子と七海の2人の友情や
AZALEAが有名になるまでの経緯が丁寧に描かれました。
前回の感想でも書いた通り、一番の見所を意図的に引っ張るのは
あざとさを感じてあまり好きではないので、
どうせなら最後まで描き切って欲しかった気持ちもなくはないのですが。
でも、ライバルを重点的に描いてこそ、主人公の成長や覚醒がより際立つのも確かなので、
次回以降、ドラマチックな展開で魅せるためには、必然だったとも言えるでしょう。
英子の歌声って、憧れの存在であるマリア(アヴちゃん)みたいに、
空気が一気に澄み渡るパンチ力のある歌声ではないんですが、
彼女は彼女で、暗闇の中で1つの明かりを灯して、
孤独や不安がっていた心を癒してくれるかのような、そんな魅力があるんですよね。
今回の、イルミネーションをバックに、英子がオリジナル曲を初披露するシーンなんかは
特に彼女の良さが活かされていました。
その上で…芸が細かいなぁと思ったのは、歌詞の表示にささやかな変化をつけた演出です。
序盤の「♪簡単には手放せない」「♪差し伸べられたあのメロディー」
「♪(中略)痛いほどに」辺りの歌詞はふわっと表示されているんですけど、
一瞬英子が頷いたのを合図に、次の「♪口ずさんだ子守唄に」という歌詞から
はっきり現れてくるんですね。
それが、最初はまだ手探りだったのが、歌っていくにつれて
「よし、これで行こう」と決意を固めた、彼女の心情変化を表しているようで…
ああ、七海との出会いを機に、ちょっとずつ自信がついたんだなぁと思わされました。
対して七海のエピソードは、現実味が溢れていましたね。
さすがに、七海の歌声が欲しいから他の2人はいらない…(売れそうなメンバーで集める)
みたいな残酷な事はされていませんでしたが。
事務所のブランドイメージや売り上げばかりが優先されて
本来やりたかった音楽が出来なくなってしまうのも、
辞めようとした時には事務所の看板となっていて、抱えているものが大きくなって
辞めづらくなってしまうのもまた残酷で、
売れっ子や大手であればあるほど、そういった事情は付き物なのかもしれません。
けれども、バンド形式ではないAZALEAがチューニングをしているのを
バカにしていたスタッフに「敬意を忘れるな」と言っていた通り、
唐澤(和田聰宏)にもほんの良心はあり、
自身のやり方が彼女たちの人生や夢を奪っているという自覚はあって。
プロデューサーもまた、葛藤を抱えている人間なんですよね…。
元々の原作が…っていうのもありますが。
本作って、歌唱シーンの凝り方もそうなんですけど、
芸能界の描写もきちんと調査されているのが窺えるほど
リアルに作られている所に好感が持てるんですよねぇ。
孔明のとった作戦は、もはや卑怯と言いたくなるんですけど(笑)
売りたい歌手のためならどんな手段でも使う…って所は
唐澤と共通しているとも言えますね。
次回はまた盛り上がる事になりそうです。楽しみです!
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