大奥(2023) 11話 感想|「ありがとう」って言われたい
万里小路有功役で大きな注目を集めた
「Season2の1話」ではなく「11話」の表記になっている所が
大奥の歴史を一緒に追っているかのような感覚がして洒落てますし、
その記録を綴った没日録を、冒頭から物語に絡めている所も良いですね。
それから、赤面疱瘡の紹介と、生前の吉宗(冨永愛)の活躍を簡潔にまとめておさらい…
2分間のアバンでしっかり土台を整えてきたお陰で、
半年間の空白をあまり感じさせませんでした。
新キャラの平賀源内(鈴木杏)にも、初っ端から魅了されましたね。
少年漫画の世界からそのまま飛び出してきたみたいな快活な性格と佇まいで、
早口言葉が聞いていてとにかく気持ち良いんですよ。
本当、彼女のペースに飲まれてしまいそうで(笑)
青沼(村雨辰剛)との強弱激しいコンビもツボで、
このまま2人の旅でも見ていたい…と思っていたくらいだったので
途中から源内の出番がなくなってしまったのは寂しかったですが
(終盤の種を突き止める様子を見る限り、次回から本格始動するのかな?)、
青沼と黒木(玉置玲央)のコンビも、青沼の誠実な姿を目の当たりにして
心がザワザワする黒木のカットの多さが印象に残ったのもあり、最後的にはしっくり来ました。
源内とは「感謝の言葉を大事にする」「兄弟が赤面疱瘡で亡くなった者同士」、
黒木の場合は「父が医者」で、それぞれ共通点があるんですね。
内容自体は風熱を取り扱ったものになっていて、インフルエンザを指すんだそう。
他にも、加湿器のルーツとも言える「やかんの水を沸かして喉を潤す」や、
体の特定の部位を冷やすなど、現代の治療法に繋がる要素が次々描かれました。
サボンも今で言う石鹸でしょう。
でも、何か道具を使えば"予防"にはなるけど"完全には"防げないのも、
人によって効き目に個人差があるのも、今も昔も変わらない訳で…
やっぱり人気作品は、どんな時代でも、未来でも通用するような話になっているからこそ
いつまでも支持されるのかもしれません。
「外国人だから」と差別されていた青沼が、医療に真摯に、正直に向き合い続けた事で
人が集まってくるようになるし、仕事ぶりを褒められるようになる…という
努力が報われるオチには、こちらも胸がじわっと温かくなれました。
相島一之さん演じる大奥の取締役(役名が分からない…)が
サボンを使ってくれていたと分かるエピソードも、
今までお見かけした役が役なので、相島さんだと何となく胡散臭そう…と思っていただけに←
結構優しい人物に描かれていたのが意外でしたね。
ただ、最初はそんな幸せな方向に向かっていても、
いきなり容赦ない展開が襲ってきて、心がぐわんぐわん揺れ動かされるのが本作なので、
今シーズンも覚悟しながら見る事になりそうです。
相変わらず、原作は未読。
なので、事前情報はあまり入れずに、また純粋に物語を楽しむつもりです!