それってパクリじゃないですか? 3話 感想|屁理屈も武器になる
「陣取り合戦」というワード、初回でも出てきてましたね。
初回の時は、社内会議に割り込む形で高梨(常盤貴子)が言っていたけれども、
今回ではそれを亜季(芳根京子)が…って所にグッと来ます。
特許は言葉を武器にした陣取り合戦であり、
つまり早い者勝ちなのだと北脇(重岡大毅)から教わっても、
「せっかく頑張って考えて、やっとの思いで商品化される段階まで行けたのに…」と
どこかモヤモヤした表情を浮かべていた当時の彼女。
今は知財部の社員として相手の商品開発にガッツリ携わってみる事で、
もしかして、特許ってこういう事なのかも…?と気づき始め、
知識や学びを徐々に自分の物にしていくかのような彼女の様子は、
まさしく"成長"を感じさせて印象的でした。
そして、そんな亜季の成長物語を描くのに、
同じく、自分の頑張りが認めてもらえないもどかしさを覚えていた
柚木(朝倉あき)のエピソードを重ねてきたのも良かったです。
個人的には、柚木の気持ちも分かるなぁ…と思いながら見ておりました。
学生時代なら、自分の「こうしたい!」っていうこだわりを
最大限形にする事が出来て、そこに楽しさややり甲斐を見出せていたと思うんですけど、
社会に出てみると、上司との意見の不一致だったり、本作のように特許も絡んだりして、
希望通りに物事が運ぶ方が圧倒的に少ないのが現状ではあるんですよね。
で…今回の高梨の場合、面と向かって、あの時の言動の理由をしっかり話してくれたから
まだ優しい方ですが、実際は「なんでそうしたかは自分で考えてみて」なんて相手に委ねて、
多くを語らない上司ばかりなのもあるある。
知財部の仕事とはなんぞや?という"お仕事要素"も、
行動に移しながら重点的に見せていたからか、
理想としていた物が形になった時のみんなの喜びにも素直に共感出来ましたし。
また、亜季の努力も報われ、柚木の試作品が商品化してハッピーエンド!…とはならず、
あえて社会のリアルを仄めかして終わったオチも含めて、
今回は"若者成長記"と"お仕事ドラマ"の取り合わせの上手さが光った回だった気がします。
(亜季の場合は、いきなり本番だと会社としてまずいのでは…とは思っていたので、
妥当ではあるんですけどね。)
一方で、突如浮上してきた「北脇がスパイ説」。
今までの亜季と北脇の関係性を見ていると、
第三者(=視聴者)からしたら、彼の考えも理解出来るなぁとは思うんですけど。
でも、亜季目線で考えてみると、基本的に北脇が彼女の仕事に
ほとんど絡んでこないためか(絡んだとしても、たまにヒントを出すくらい)、
彼女が彼に不信感を持つようになるのも頷けはするんですよねぇ。
…今回の件と、会社の噂とやらで、その気持ちが確信に変わった所でスパイかも?の流れ。
構成もきっちりしていて、次回で北脇について掘り下げる事で
本当の意味での"凸凹コンビ"になり、5話以降、実質「第2章」になるのかもしれませんね。
まぁ、前作と一緒で、ミスリードしただけで終わりそうな予感がするんですけどね。
っていうか…暗闇の中でその資料読めるの?なんてツッコミはしちゃダメですか?(笑)