イチケイのカラス 2話 感想|保身は時に刃物にもなる
凄いですね。2話にして完成度を高めてきています。
1本の作品を見たぞ!という満足感さえ感じます。
この手のドラマは基本的に逆転判決されるのが鉄板です。
が…視聴者を翻弄する展開が続くので、それとは関係なしに、純粋に面白い。
序盤の段階で「鬼女の微笑み」と呼ばれている深瀬(前田敦子)を始め、
旦那や義母、医師(金井勇太)、事務総長・健一郎(石丸謙二郎)と
その息子・隆久(馬場徹)などいかにも怪しげなキャスティングを用意しては、
誰が本性を見せるのか?誰が事件に関わっているのか?を予想する楽しさがあるし。
見せ方的にも怪しいと思っていた人が案外そうでもなくて、
逆に「そことそこが繋がるのか!」という意外性にやられたりもする。
判決を言い渡される時のちょっとした間には固唾を呑み、
母を覚えていてくれた娘との再会に救われた心地になりつつも、
でも子供と離れ離れだった"空白の時間"はもう戻らない…
旦那も含めて、あの時信じてあげたら、もっとこうしていたら…という後悔=ほろ苦さも残る。
今回の内容をざっくり例えるなら"人生"…そんな言葉が似合う気がしました。
また、1話完結で、「有罪」「無罪」の二手の判決を言い渡す裁判が舞台の作品らしく、
最後は間違っている者に対してはっきりと「間違っている」と言い渡すかのような
悪人を懲らしめるオチもあり、
勧善懲悪モノとしても形が出来上がっていたんじゃないかと思います。
一方で、裏では「間違っていない」と言い張る人物が一人…
“ある裁判"によって弁護士を辞めるほどボロボロの状態になっていたみちお(竹野内豊)が、
手柄を得る事で信頼してくれる仲間が増え、そうして経験値を積み、
最終的には最高裁判所判事・日高(草刈民代)に再び挑戦状を叩きつける
RPG的な構図に近づいてきているワクワク感も。
縦軸にも興味を惹かれてしまいますね。
前回で「ゆる可愛い止まり」の印象の方が強かったみちおのキャラクターも、
法廷に裁判官を呼んだり、自分の頭をゆすってみるよう提案したりして
大分自由度が増してきていると同時に。
何度も現場検証をして確認する"弁護士っぽい"場面よりも
法廷で活躍を見せる"裁判官らしい"場面が増えて、
従来の作品の既視感を払拭させる描写になっている感じがします。
あとは…主人公においても、周りの登場人物においても、
抽象的な表現になってしまうけど、なんか見ていて心地良いんですよね。
本作が一貫して描いているのは「正義感」でも、全然押し付けがましくない。
それは、相手と同じ目線に立って本心を語りかける
みちおの柔らかくて穏やかな口調も効いていると思うんですが、
彼の仲間達に厄介者扱いしたり嫌ったりしている人が
いないっていうのが大きいのかもしれません。
ボヤいたり呆れたりはするけれど、みちおの能力や人間性を認めている部分もあって、
いざという時には完璧なサポートに回って超優秀なチームワークを発揮する…
そんなプロ集団、全員まとめて魅力的です。
全員に好感が持てるから、次はどんな案件に向き合ってくれるのだろうと、
来週がますます楽しみになりました。
前回よりもあまりにも仕上げてきたのでね…書きたい事が色々あり過ぎて
文章がごちゃついていると思いますが(苦笑)伝わると嬉しいです。
これは本当に期待出来そうかもなぁ…
やっぱり他の2本は録画に回して、月曜日は本作だけ感想を書く事にしようかしら…。