珈琲いかがでしょう 1話 感想|今日一日頑張った人への"おもてなし"
人情珈琲
丁寧で誠実な暮らし。
垣根(夏帆)は…起業した方が向いているのかもなぁ。
机の乱れは心の乱れじゃないけど、その暮らしが心身を整えるのに大事だっていうのは分かる。
でも、会社勤めとなると「効率性」「時間厳守」が重視されてくるから、
遅いと言われたんだったらもう会社の方針に従うしかないんですよね。
珈琲好きのお客さんにプチ情報を与えて喜ばせたいなら、どうしても手書きである必要はないし。
世間の"普通"に順応していきながらも、自分なりのこだわりは残す形で
新たな仕事法を模索していけば、この会社にいるのも居心地が良くなるんじゃないかな…
というオチを予想していましたが、
「見ていてくれる人がいる」の落とし方がね…
仕事に関係ない依頼でっていう所にはちょっとモヤる(笑)
会社がどのくらいの規模か分かりませんが、全体的に上がダメダメですね。
効率性を重視って言ったって、お客さんも案外、
梱包が雑か丁寧かはちゃんと見ている気がしますよ?
サービス業として「開けたら一緒」はいかがなものかとも思う。
そんな訳で、垣根に対しても、会社側に対しても、
半分共感出来て半分「それは…」っていう気持ちで見ておりました。
でも、キラキラ女子のイメージがあった馬場(足立梨花)と
腹を割って話すシーンには、ほっこりさせられますね。
違う世界にいる人だと思っていたけれど、もしかしたら共通している部分があるのかも…などと、
お互いの心の距離が近くなっていく展開はやっぱり好きです。
死にたがり珈琲
布団も服も靴下もベージュだらけっていうのも…個性ですよねぇ。
でも、それは他人が見て良い解釈が出来るのであって、
本人にとってはコンプレックスであり、"殻に閉じこもっている象徴"でもある。
人に文句を言われたり、なりたい自分を否定されたりするのに怯えて、
保身のために生きている毎日。
変わりたいと決心して、何か新しい事を始めても
「どうせ自分なんか…」って思ってしまうタイプなんでしょう。
生活の根本的な所から職業病が染み付いちゃっている感じですね。
そんな美咲(貫地谷しほり)に青山(中村倫也)が提案したのは、
まずは身近な所から新しい事に挑戦してみる…というもの。
ここのカレーにハマったとか、カフェオレをプチアレンジするのが好きとかでも良いから、
挑戦の中で趣味に繋がるきっかけを見つけて、
そこから自分らしさを取り戻してみては?と伝えたかったのかもしれませんねぇ。
「人情珈琲」で移動式屋台がある日突然消えた時の
垣根の表情には胸がキュッとしましたけど、
美咲の場合は大らかそうなカレー屋の店主がいるので、
今後また心が折れる事があっても安心出来そう。
垣根の方は、本音で打ち解け合えそうな馬場と徐々に仲良くなるのでしょうが…
珈琲まるごと愛してくれる人だっただけに、ちょっと心配。
***
基本的に2話構成みたいなので、今後の感想もこんな形で。
月曜10時から11時6分に移動してからの第1弾。
いや〜、時間帯にかなり合っている作品なんじゃないでしょうか!
家事を終えて、小さい子供を寝かしつけて…やっと自分だけの時間がとれる。
今日も一日頑張った大人達のためのご褒美みたいな作り。
…まぁ、私はもう少し早い時間に録画を見たんですけどね(笑)
一息つく珈琲がテーマなので当然っちゃ当然なんですが、
台詞の間や雰囲気を壊さない、まるでカフェで流れているようなジャズ調(?)の劇伴に
センスの良さを感じさせます。
珈琲を淹れる過程もじっくり見せてくれる。
原作者の以前の作品 でもそうでしたが…
フィクションの中で描く五感を現実世界で伝える事を
大切にされている方なんだろうなっていうのがよく分かる。
適度に微笑み、適度に頷き、適度に困り顔を…といった
静かな表情で魅せる中村倫也さんの演技も、本作の世界観にぴったり。
でもって、イケメンを武器に、少女漫画の王道系のSEで
遊び心を付け加えたりもしちゃう。
視聴者側に負荷のかからない、全体的に落ち着いた雰囲気だからこそ出来る"余裕"ですよね。
漫画原作ならではの持ち味とも言いますか。
1人だけ復讐ドラマでもするんか…?ってくらい場面が違う三平(磯村勇斗)が
どんな形で青山に関わっていくのかも楽しみです。
で、もう1つ気になるのは、頑なに外そうとしない右手の手袋。
度々考え込む姿があったので、そのうち主人公が珈琲屋を始めた理由を描く時が来るのかな?
「凪のお暇」も心満たされるほど好きだった作品だから
本作も多分好きだろうなぁ…と期待していましたが、これは完全に視聴継続決定ですね。
月曜日、本当に充実するかしら…どうかしら♪