監察医 朝顔(2021) 10話 感想|穴を埋めようとする人々から出る綻び

 

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職場にとっては茶子先生(山口智子)と、

朝顔上野樹里)とつぐみ(加藤柚凪)にとっては

桑原(風間俊介)と平(時任三郎)と離ればなれになり、

双方で"心のぽっかり"が出来てしまって…からの今回の話。

自分がいっぱいいっぱいだから、誰かに手伝わせて少し楽になりたいという気持ち。

自分がやってしまった事なのだけれど自分は悪くないと思いたい気持ち。

ちょっとずつズルい部分が出てしまう人間臭さが、手に取るように共感出来てしまう内容でした。

 

子供の事情を聞かずに自分の事を話してしまう朝顔も、

ジュースをどかして感情むき出しになるつぐみも、

(恐らく寝不足だからなのだろうけど)

解剖中に指を切ったのを黙っていた光子(志田未来)も、

みんなどことなく"らしく"なかった。

それだけ大切な人に支えられて過ごしていたって事で、

欠けたものが大きければ大きいほど、バランスを狂わせる。

そして、人って本当にパニックになったら、光子みたいになるんだろうなぁ…と思うくらい

あの反応の仕方がリアルに映りましたよ。

何かショッキングな事を伝えられたら涙をこぼすのではなくて、

悲しんでいる心を誤魔化すために無理に笑ったり、口から本音がこぼれたりして、

“元凶"を恨んでいるとだんだんと自分の行いを悔やむようになる。

 

仕事のシビアさを目の当たりにしている牛島(望月歩)を映すシーンが度々ありましたが、

罪悪感を埋めるかのように率先して仕事をしている彼も、

経験を積んで、"監察医とは"を肌で感じていく事で、

感情移入しがち…言い換えれば人を想いやれるという一面を長所にしつつ、

きっと最終的には変わっていけるのだろうと信じたい。

 

人間の"悪い部分"も"良い部分"も浮き彫りにしてみせたお話自体には

グサッと来るものがありましたし、

「医療従事者の子供にはつぐみちゃんのような子がたくさんいるのかもしれない」と

思わされる点では、このご時世に訴えかけるには相応しい内容だったとも思います。

 

でも…最近薄々感じているのは、

コード・ブルー3」と作りが似てきちゃっているなぁ…という所なんですよね。

今回の感染疑惑の話といい、次回のトンネル事故の話といい、ネタが被るのもあるんですけど、

事件や震災以外で主人公サイドを不幸にさせる展開が続いているのが、

「不幸にさせれば"ドラマ"になるだろう」感が滲み出ているようでちょっとモヤってしまいます。

年が明ける前は日常生活を丁寧に紡いでいる印象がありましたが、

明けてからは何だか事件の規模もデカくなっちゃいましたしね。

美幸(大竹しのぶ)と平の恋愛パートも…

大切な人を失った者同士で支えあう関係性のままだったら別に良いけれど、

彼の事が好きだから手放したくない!っていう恋心にまで踏み込むのは余計な気が。

 

 

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