美食探偵 明智五郎 9話(最終回) 感想|コロナのせいって事にしておこう!
美食探偵、お主もか…。
この枠の最終回、変にスケール壮大な話にして自滅していくパターン、
もはや定着しつつありませんか?(汗)
作品を完走してもしてなくても、
SNSの評判見ると「最終回がひどい」って意見を多く聞きますよ。
30分延長もあって間延び感を覚えたためか、
大台に向けて役者がせっかく良い演技をしてくれているのに
ポエムじみた台詞がばんばん飛び交うから話について行けないし、
シェフ(武田真治)が死に際にタバコを吸おうとするシーンも
「これ入れたらカッコイイだろ」的なとってつけた感じにしか見えないし…。
では、肝心の恋愛描写の着地点はどうだったかと聞かれたら、それもまた微妙。
何度も描かれていたので、私は途中から本作をミステリーではなく
役者の演技を堪能するラブストーリーとして見ていたのですが、
最終章に突入して「明智と結ばれるのは苺か?マリア(小池栄子)か?」などと
予告や展開に力を入れた割には、明智自身の"答え"も出ぬまま
中途半端に終わらせてしまったのがなぁ…。
(まぁ、誰とも結ばれないのは予想はついていたけれど。)
本作だけの話じゃなくなりますが、
結局、私が日頃から日テレドラマを苦手とする理由って
「心情描写の浅さ」
にあると思うんですよね。
あれだけ悪戯を楽しんでそうに見えたマリアファミリーの3人も、
最後になったらコロッと良い子ちゃんに落ち着いて解決。
悪者も最後には改心する。最終回はとにかく盛り上げるべき。
これが「ドラマ」としての美学だろうと言わんばかりに
大袈裟で奇抜な要素ばっかり取り入れてくるから、
登場人物の言動に心を揺さぶられるほどの"感動"は生まれなければ
ガワだけは良いように見せた所謂"装飾的な"作品で終わってしまう。
心情が丁寧に描けないから、人気や旬のキャストを起用して
サービスシーンをいっぱい見せて誤魔化す手法も多いんですよね。
原作は未完なので、結末はオリジナル。
となると、脚本家の力量も問われてくる訳で…
コロナがなければ元々10話分用意出来て、強引でも何とか収められるように
急遽書き換える事はなかったんだろうなぁ…なんて想像してしまいました。
途中までは良い意味で日テレらしくない映像美にうっとりしていただけに、
ああ、何という勿体無さよ…(泣)
色々残念な部分はありましたが、
魔女の見た目にも劣らず、周りの視線を一気に奪う圧倒的な存在感を放った小池栄子さん、
自由自在なテンションの強弱で一辺倒なコメディ演技にせず、時に"愛""絶望"など
大粒の涙に何パターンもの感情を含ませてみせた小芝風花さん、
そしてその2人の女性としっかりと対峙出来るような柔軟性を備えた中村倫也さんと、
三者三様の熱演ぶりは堪能し、最後まで見る価値はあった作品だったと思います。
小芝風花さんは、このままの勢いで来期主演の「妖怪シェアハウス」も期待しています。
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