あと3回、君に会える 感想|あと1回は、どこで会う?
U-NEXTと連携したSPドラマである事、山本美月さんが出演される事は知っていたけれども、
どんな内容なのかはあまり情報を入手しないまま見始めた本作。
タイトルから察するに、告白出来ないまま後悔していた人にチャンスを与える
タイムスリップモノなのか?
いや、無難にラブストーリーなのか?
おやおや、突然超能力の設定が出てきた…こりゃどんな話なんだ?
などと途中まで困惑した状態で見ていましたが、
征史郎(眞栄田郷敦)の 相手の背中にあと何回会えるかの数字が見える能力が
生まれつき備わっていたものだと分かった途端、物語にみるみる引き込まれてしまいましたね。
(放送中にとある芸能人がまた一人コロナにかかったというニュースを知って
パニック状態になりましたが、"何とか"乗り切りました…(泣))
少しでも運命に抗おうとはしないのかと最初は思いましたが、
いざ能力が備わってしまうと、しかも付き合っていく月日が長ければ長いほど
人は運命の前では無力である事を痛感させられてしまうのかな…と。
別れから何年か経って、同じ仕事先でクライアントになる相手がたまたまあの人だった…とか、
人ごみの中、通り過ぎた時に「もしかして…?」とお互いが振り返るだとか
といったドラマチックなラストではなく、
2人とも運転している最中にばったり出会うという
“ごくごく普通"のラストで幕を閉じた所に好感が持てました。
その後をあえて見せないのも、妙な清々しさと
胸がきゅっと締め付けられるほんの切なさが感じられて、個人的には中々好きです。
「エモい」なんて普段は使わないけど、こういう時に使うんだろうなぁ…と。
ヒゲダンの曲になると音量がデカイな(笑)なんてツッコンでたりもしていましたが、
大人で、哀愁があって、甘酸っぱくて…という、一言では表しきれない
様々な要素が入り混じったムードを演出するには、最適過ぎるチョイスでしたね。
カメラワークや青みがかった映像が映画っぽくて、特殊な設定を織り交ぜているとなると、
編成のインターバル期に30分×四夜連続の深夜ドラマを見ているような
不思議な心地になれた作品でもありました。