教場 前編 感想|油断してはならない警察24時。
いや、警察官のたまごじゃなくて、犯罪者のたまごばっかりやないか!
適正テストとか面接とかいくつも選考はあっただろうに、
採用担当者は何をしていたのか…とツッコミつつも。
殺された遺族が関係している事件の情報を得るため、復讐するために
何年後かに警察官になる主人公の設定はドラマではあるあるな一方で、
同じ舞台でも、それらを振るい落とそうとする教官の視点に立った話は
割と新しいのかもしれないな…とも思い、徐々に興味深く視聴出来ました。
でも、何が一番怖かったかって、SNSで流れてくる警察学校経験者の呟きに
「こんなのあり得ない」ではなく「リアルでもこんな感じだったなぁ」みたいな内容が
多かった所ですよ(笑)
このドラマの登場人物程ではないんでしょうが、
少なからず、復讐を目論んでいた人はいたのかもしれませんね。
…あ、南原(井之脇海)のように、拳銃マニアで銃を持ちたかったからという
動機でなった人は多そうですけど。
(それにしても、2日前とは別人なくらい変態キャラだったなぁw)
個人的に期待していた「木村拓哉さんの新境地」の方は、想像以上に良かったです。
…というか、良いわ。好きだわ。
悪魔なのか正義の味方なのか、
境界線が曖昧な感じの中間的な役がハマる驚き。
木村さんと言えば、ブルゾンとかシャツとか、ちょっとダボっとした
カジュアルな服装のイメージがあったんですけど、
ピチッとした制服でメガネで…なんて硬派な格好も似合ってしまうんですね。
むしろ、経験を重ねて渋味も増した今、そっちの方がしっくり来るのかも。
義眼は最初CGかと思ってたんですけど、微かに動いているから
特注のカラコンだったりするのでしょうか?
ついこの前までやっていた「グランメゾン東京」と本作の共通点は
「脇役の引き立て役に回りつつも、存在感はさり気なく残す」といった所。
前者がトレンディドラマの先駆者でもある「いつもの俺様キャラのキムタク」という
視聴者の持つイメージを、適度なタイミングで掴みを挿入する形で
あえて利用した作りならば。
後者はスターである「異質感」を逆手に取り、それを殺伐とした警察学校という
非現実な物語に落とし込む事で、主人公一人が浮く事なく、
画作りも含めてミステリアスな作品に仕上がっていたのではないかと思いました。
主人公は白髪なので、なんでわざわざキムタク?もっと年相応の役者がいるだろうと
思う方もいるかもしれませんが、
新しい顔を見せたい意欲が感じられるからこそ見たくなってしまうんですよねぇ…
まだ後編がありますけども、これもまた企画力の勝利だろうな、と確信しています。
木村拓哉さん演じる風間公親が魅力的なだけでなく、物語の展開も見入る程の面白さ。
警察官のたまごの2人ずつに焦点を当てたエピソードが
何個にも分けられている構成を見るに、
おそらく原作が短編小説で、目次の「Case1」「Case2」という項目を踏まえて
作られているんだと思いますが、
本作の場合はそれを連続ドラマの形式にしなくて正解でした。
連続ドラマだと、1話で1エピソード…となり、
下手したら間延びを感じてしまう可能性がありますが、
SPドラマだと限られた時間で闇が次々と暴かれていくので、緊張感が堪りません。
原作の良さを活かせているような気がしました。
あと言及したい事としたら…
取調の模擬訓練のシーンでの、空気をガラリと変えるような
佇まいの切り替えっぷりを見せた大島優子さんの演技も、
優子さんは朝ドラの時もそうでしたが、
ここだ!という時の人を惹きつける力が増してきましたね。
西畑さんは過去に「僕キセ4話」 の感想でも触れましたが、表情の魅せ方が本当に上手い!
そんな感じで、主人公を固める役者陣の演技も楽しみました。
後編では風間の過去の他に、宮坂(工藤阿須加)と都築(味方良介)の関係、
南原の件、菱沼(川口春奈)の化粧の秘密など、まだまだ一波乱ありそうですが…
明日も期待しています。
いや〜、この時期のSPの中では一番の当たりかも?
(まだ「何食べ」を見ていませんが(笑))
↓後編の感想はこちら↓