日本沈没−希望のひと− 8話 感想|移民問題になっても緊迫感が迷子…
ふーん…仲間割れしたり、一部の人間を説得し続けたり…の次は
ガッツリ企業買収の話なんですね。
国民全体の危機感の描写よりも、
最後まで「日本の経済はどうなるのか?」がメインの物語を紡いできた本作。
放送開始から約40分間、なぜか中国"だけ"にこだわり、計画を練り、
中国政府と"しか"交渉していない印象の強いエピソードが続いたお陰で、
まるで今回が 新規事業が成功するまでの過程を描く
池井戸作品のように見えてしまいました(苦笑)
特に中国の要人が日本人の移民を受け入れるシーンなんかは…
「下町ロケット」で敵対関係にいた帝国重工の社長が佃製作所に足を運んで、
ものづくりのこだわりの深さに共感して考えを改める流れを思い出してしまうくらいには
既視感がありましたなw
しかしまぁ、沈没間近になっても、どうしてこんなに緊迫感がないんでしょうねぇ。
一応デモ団体とか、空港での混雑具合とか、居酒屋で荒れ出す大人とか、
日本沈没報道を受けての国民の様子も描いてはいるんですけど…
あくまでも"脇役"程度にしかあしらわれていないのが原因なのかなと。
どことな〜くリアリティがないんですよ。ずっと。
日本人、こんなに大人しい人たちばかりか?
と疑問に思えてくるんです。
だって…現実の世界に置き換えてみたら、コロナが流行り始めた頃は
マスクがないだの、トイレットペーパーが不足するというデマが拡散されて
売り切れ続出するだの、食料品や生活必需品の買いだめが起きるだの、
1つ1つの情報に踊らされる人々の方が圧倒的に多かったはず。
何か世界を揺るがす事態が発生すれば、まずは自己保身に走るというのが
当時で証明された…とも言える。
なのに本作は、コロナ以上に恐ろしい沈没が差し迫っている状態なのに、
空港ではお客さん殺到で対応困難どころか「中でお喋り」程度の緩い描写で終わりだし、
スーパーやドラッグストアなど"日常生活圏"である場所の異変に関しては
ほとんど触れていない。もちろん、SNSやネット記事の動きも。
こんな中途半端さで「次回はとうとう最終回です!」って言われても…
沈没詐欺では?最終回でまとまるのか?と思われても仕方ないですよね。
そして、恐らく重要だったであろう移民問題。
解決方法…優しい世界…ファンタジーかて(汗)
日本に対する印象は様々で、日本をリスペクトしている国もあれば
むしろ嫌悪感を抱いている国もいるのに、
どこの国の人々もニコニコしながら
「ここで待ってるよ」「一緒に乗り越えよう」のメッセージ映像…
実際はそんな綺麗事じゃ済まされないでしょ。
日本沈没による我が国への移住の打診を受けて、それぞれがとるべき選択だとか、
もっと言うなら、日本という最大のアイデンティティを失う事に対して
国民はどう考えているのか。
(主人公周り以外で)家族内、恋人同士で果たして意見は一致していると言えるのか?とか。
ここらへんの"リアルな心境"を丁寧に描いてこそ、世界の"混沌"を表現出来ると思うんですが…
そこを端折ってしまった辺り、作り手の技量の限界を感じられずにはいられません。
しかし次回、どうするんでしょうねぇ…。
総理を庇う形で罪を償おうとしている世良(國村隼)に
天海(小栗旬)が「私たちにはまだまだやるべき事があるでしょう!」と
熱く訴えかけるシーンがあるだろうとは予想してますw
本当に次回で完結出来るのか。
完結出来たとしても強引に終わらせそうですが。