生きるとか死ぬとか父親とか 5話 感想|思わぬ収穫の方が多い人生よね。

 

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「思わず涙がホロリと崩れ落ちるようなエピソードが生まれるに決まっている」

というトキコ(吉田羊)のモノローグが入った時点で、

あ、これは感動的なエピソードにならないな…むしろ真逆の方に行ってしまいそうだと

察しましたが、結果的には今回もほっこりする内容でした。

 

前回のスーツ屋で「もし私が結婚して子供を産んでいたら」

「もしまだ母が生きていたら」などと、

一人たらればを悶々と考えていた姿が頭に焼き付いていて、

今回はそれを絡めて、哲也(國村隼)と親子ごっこをする事で

思わぬ所・出会いから彼の過去の核心に触れる展開が訪れてくるんじゃないかと

ソワソワしながら待ち構えていた分。

哲也の古くからの友人だと言う沼田(菅原大吉)から、

口を拭く癖は、父が自分が子供の頃に親身に世話してくれた時の名残から来ているという

昔のエピソードを聞かされ、

そこから幼い自分のそばにいた時間があった事を知り、

それと同時に、今まで知らなかった"パパ"としての別の顔も知れた喜びを

静かに嚙みしめるトキコの様子を見て、思わず自分事のように安心してしまいました。

愛人のためにマンションを買ったという黒歴史が少し明かされヒヤッとしたものの、

「娘に尽くす"良いパパ"の時代」が確かに存在していたのは、本当に良かったです。

 

そして、期待していたものではなかったけど嬉しい出来事があった一日を送った

トキコ経験談にも共感。

期待しているのが良い方でも悪い方でもそうですが、

「〜になるだろう」と断定しながらいざその通りに動いてみても案外思い通りにはならなくて、

その代わりに視野に入れていなかった所から

思わぬ収穫が起こるもんなんですよね…人生って、割と。

例えば、周りの評判が高いからって期待値を上げてある作品を見てみたら、

自分にとってはそこまで絶賛するほどのものではなかったり。

成人式の日にぼっちになったら嫌だな…と前日まで不安がっていたのが、

いざ当日になると、いろんな同級生と昔話に花を咲かせて心地良いまま帰路に着く事が出来たり。

「確実」より「偶然」の方が多いよなぁ…と、つくづく実感させられる話でもありました。

 

3話からは「人生」「日常」を和やかに描く話が続きましたが、

次回はいよいよ母の過去に触れるとの事なので、ちょっと覚悟しつつも、

本作の世界観に身を任せながら見ていこうと思います。