イチケイのカラス 6話 感想|正しくあるべき人が正しい事をする潔さ
裁判官と被告人の立場なのに、なんとなく醸し出される名コンビ感…(笑)
もっと掛け合いを見ていたかったなぁ。
難攻不落で偏屈な性格から出る、長台詞も淀みなく発する役は
バカリズムさんのために用意されたみたいなもので、
脚本家のお仕事もやられているからか、台詞のテンポと間の取り方がとにかく上手い。
法廷や刑事モノでよく主人公に設定づけられる「本当の真相を見つけ出す」キャラでも、
本作の場合は、岸田が度々ボソッと呟く"本音"が逆に
みちおの真っ直ぐな正義感を引き立たせるための効果的な演出になっていて、
定番の設定…ではなく、この人は本当に正しく裁く事にこだわる人なんだろうなぁという
説得力がありました。
「ポリシーに訴える」この台詞にもグッと来ました。
今回は珍しく検事側のシーンも描かれましたが、
調査協力を禁ずるよう言われた井出(山崎育三郎)と城島(升毅)が
いよいよ上司からの圧力に飲まれてしまうのか…と思いきや、
イチケイのメンバーが遠回しに喝を入れる事によって
自分のモットーは何だったのか?と目を覚ます流れになっていたのには一安心。
それも…正直に間違いを認めて合流するのではなく、
話をたまたま聞いてしまったかのように促す小芝居で情報を漏らすっていうのが、
いつもツッコミを入れつつも何やかんやでみちおの検証に協力する2人らしくて
面白かったです(笑)
冒頭で語られていた「バタフライエフェクト」論は
みちおの常日頃の思想や行動にも繋がりますね。
彼が「どうして?」を追い求めると、周りも「どうして?」を追い求めるようになる。
現に、効率的に裁く事をモットーとしてきた坂間(黒木華)も変わってきた。
今回の事件は、そんな彼に影響を受けたメンバー達が調べ上げた内容と、彼の確固たる意志が
岸田の心を解した…という感じですね。
岸田は「人は絶対に傷つけない」とは言ってはいたものの、
人からお金を盗んでいる時点で傷つけているんじゃないの?という疑問が残っていたので、
そこを突いてくれたのもスッキリしました。
バタフライエフェクトのエピソードを提示して、そこに圧力をかけられた検事への
「自分の言葉が自分に一番響くでしょ」という台詞も絡めて、
自分が犯した行動はいかに矛盾していたかに気づかされ、最終的に自白に至らしめる…
伏線回収も含めて綺麗にまとまっていた内容だったと思います。
そして、準備を整えて、いよいよ(というか早くも?)国の司法に立ち向かう事になるであろう
終盤の展開には気持ちが高まりますねぇ。
劇伴を大音量で流す演出も、盛り上げ役としてハマっています。
でも、それと同じくらい気になるのは、残り何話あるのかという所。
次のドラマが6月スタートとの事なんですが、いつもの11話構成じゃないんでしょうかね?
あるいは、立ち向かうものの一度挫折して、またリベンジする…みたいな展開なのかどうか。
本作の案件自体はそこまで捻りなく描かれるので、
ボスはそのまま日高(草刈民代)だと思うんですよ。
お金が絡んでいるからなのか、再び登場してきた板谷由夏さんの動向も謎ですし…
まずは新聞配達人を殺害した犯人を特定する所から始めるのかな?