35歳の少女 8話 感想|35歳の少女、YouTuberになる。
えらいもん盛り込んで来たなぁ。
夢の中の結婚式で幸せそうに笑う姿…からの変貌っぷりよ。
何年後の設定だったんだろうか。何年経ってあの仕事をやるまでに至ったんだろうか。
そこが気になり過ぎて、物語の世界観に引き込まれるのに少々時間がかかりました(笑)
終盤に差し掛かって、各登場人物が本音をぶつけ合う展開になるのは
遊川脚本ではお馴染みといったところ。
望美(柴咲コウ)は「時間に支配されている」って言うけどねぇ…
正直、有意義な時間を思い通りに使える人っていないと思うんですよ。
かつては望美の、今は子供たちの面倒を見る事に時間を使う結人(坂口健太郎)。
25年間娘の看病に時間を費やしてきた多恵(鈴木保奈美)。
過去の栄光にすがりつく進次(田中哲司)。
愛されない空白の期間=心のぽっかりを作り物の愛で埋める愛美(橋本愛)。
「時間を大切にしろ」とはよく聞くけど、本作の登場人物の様子を見ていると
“自分の人生"を生きている人って案外いないのかもしれない。
そのくせ、無意識に相手に自分の理想を押し付けるから、
人間って面倒臭い生き物なんだろうなと。
「SNSで繋がっているだけで友達だと思い込んでいる」と言っていた望美も、
信用しちゃっているのは身近にいる人よりも
「動画を見てくれた大勢の視聴者」でブーメラン案件。
一応新ビジネスを立ち上げるまでに成長した姿を見せても
「元の望美に戻って!」「こんな姿にするために頑張ってきた訳じゃない!」
だから一緒に死のうとする母親も自分勝手過ぎる。
基本的には共感出来ないけど、
結局は時間に支配されて生きていくしかないのだという
皮肉めいたメッセージを突きつけられているようで…グサグサ刺さりっぱなしの1時間でした。
にしても、鈴木保奈美さんの鬼気迫る演技に圧倒されて泣いたわ〜。
感情を押し殺していても"娘への愛情"が常にあるのは伝わっているんだけれども、
それが"執念"に変わっていく様が…凄まじいものがあったわ。
次回予告を見る限り、母を目覚めさせるのは望美しかいない!流れになるのかしら。
介護する事で10歳の頃の良心が目覚めるなんて都合の良いオチにならなきゃ良いけれど。
バッドエンドになるんだろうという考えに変わりありませんが、
もう今回の話を見てしまうとねぇ…結末に身を委ねるしかないですね(笑)