宙わたる教室 9話 感想|完全体のロケットで再出発!
私が真面目にドラマを見るようになったのは2017年の夏頃からで、
毎年何十本も見ていれば、数年経ったら記憶がぼんやりしてしまう事の方が多いんですが…
部分的だったとしても、いつまでも心の中で大切に閉まっておきたい
台詞やエピソードも出てくるんですね。
放送局も放送時期も違うのに、なんで本作の感想で?というのは重々承知していますが、
個人のブログですし、日付もいじるので…(ボソッ)
今回は、私が当時刺さった好きな台詞を紹介しながら感想を書いていこうと思います。
今回の内容を見ていて…個人的にはこの言葉を思い出してしまったんですね。
「彼らのゴールを勝手に作るな」
以前、とある作品の感想でも触れた事があるのですが、TBSの日曜劇場「陸王」での台詞です。
就職活動が上手く行かず、努力しても無駄なんじゃないかと
ネガティブになり始めていた息子に対して、
走り続けている限りは"終わり"じゃないという意味でエールを送ってくれた主人公の言葉で、
同じような心境だった私も少しだけ救われた気持ちになった事を覚えています。
科学部のみんなも…1つになって物事に熱心に取り組んだ経験は
無駄にはならない(と信じている)し、今後の人生において絶対に宝物になる。
何かがきっかけでいつか役立つ時が来るかもしれない。
そうは思っているんですが…それは、何かを悔いなくやり遂げ、
次のステージに進もうと決めた人が言うから響く言葉だとも思っていて、
実験に対して後ろ向きの状態のみんなを見ていると、
やっぱりこのまま諦めて欲しくないという気持ちが芽生えてしまうんですね。
柳田(小林虎之介)は退部届は出していないし、
科学部自体も廃部が正式に決まった訳じゃない。
今更ですが、佳純(伊東蒼)が記録をつけているノートのタイトルが
「科学部記録ノート」ではなく、「科学部活動ノート」になっているのも何気に素敵で。
「記録」と書いてしまったら、その日の実験成果を書き記す=終わりの意味合いが
強くなってしまいそうだけど、「活動」と書いているから、
彼女にとっては部活動は現在進行中のものだと考えているんじゃないかな…と思うのです。
だから…木内(田中哲司)が藤竹(窪田正孝)にかける労いの言葉も、
長嶺(イッセー尾形)の「このまま解散かもしれんな…」も、
藤竹の「科学部も壊れました」「僕の実験は失敗です」も…なんか…なんか違う。
あくまでも私は「見ているだけ」の立場である事は十分理解しているけれども、
完全にピリオドはついていないのに、
なんで全体的に"終わり"の流れになってしまっているんだろうと
もどかしく感じながら見ていたら…
後半、柳田が自分の思っている事を代弁してくれました。
「勝手に終わらせてんじゃねぇよ!」
そう!それ!その言葉を待っていたのよ!!
想像以上にストレートで、しかもガツンと言ってくれたのが柳田であるという事実に
ボロボロ泣いちゃいましたよ…。
(終盤、伊之瀬も同じような事を言ってましたね…さすが人生の先輩)
ドラマあるあるで、途中から立ち聞きしていないかという淡い期待にも
しっかり応えてくれていました。
科学室に来るのに躊躇していたのは…アンジェラ(ガウ)を理不尽に怒鳴ってしまった、
自分が大声を出して相手と揉め合った事で科学部に隕石を落とし、
佳純(伊東蒼)の心も苦しめてしまった自覚はあるからで、
その根本的な原因となった三浦(仲野温)と対等に向き合わないまま
生半可な気持ちで行くのは許せないと思ったから…なんですよね。
柳田が真っ直ぐな人で本当に良かったです。あぁ、カッコ良かった。
「あんたの仮説、俺たちが証明してやるよ。だから俺たちをもっとその気にさせろ。」
挫折を乗り越えまた1つ頼もしくなった柳田たちが、
1人立ち止まっている藤竹に手を差し伸べ、
引き連れてくれているかのようにも見える構図も胸熱でした。
また、今回は満を持して藤竹の背景が描かれた訳ですが、
セミファイナルで持ってくる事にも意義がありました。
科学部の看板に描かれているロケットのイラストに絡めて例えるとするなら…
今までは部品が一部欠けていた、不完全なままの状態で飛んでいたから
思うように行かなかった事もあったかもしれないけれども、
藤竹という1つの部品があって、全部揃って完全体のロケットになって、
初めて一歩前進出来る。そう感じました。
科学部、再出発!ですね。
前回が心が痛ましくなる展開だっただけに、
今回、みんなが再び一致団結していく様には一際感動がありました。
ついに最終回…終わって欲しくありませんが、
直向きな想いが実を結ぶ事を願って、見届けます。
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