コタツがない家 1話 感想|初回なのにもう懐かしい
やっぱり、ホームドラマと言えば金子脚本だよね…と思える、安定感のある初回でした。
進路・就職・収入・老後など人生において根深く残る問題を、
討論の対象がコロコロと変わる小気味良い会話劇や
個性豊かなキャラクターでカジュアルに見せつつ、
最後は愛情を交えて「やっぱり家族って良いな」「何だかんでこの日常が好きなんだよね」
というほっこりしたオチを用意し、"家族の物語"にしっかり帰結させる。
起承転結でよくまとまった、洗練された仕上がりになっていたと思います。
討論の対象が…の他にも、過去の話を持ち出してきたり、
揉め事があっても時間が経てばいつの間にか仲直りしていたり、
「行ってらっしゃい」が活力になったり…本当、あるあるが詰まっているから
見聞きしていて飽きないんですよねぇ。
でもそうでしたが、どこかの家庭を覗き見している錯覚に陥るんです。
それでいて、本作を象徴するかのような主題歌もほわわ〜んな劇伴も、
下町感というか、どことなく懐かしさを感じさせて良い。
働く女性が男性を養う構図は令和的だけれども、昭和がほど良くミックスされているのかな。
シリーズものの続編でもない、まだ始まったばかりなのに
久しぶりにみんなに会えて嬉しい…不思議とそんな気持ちにもなれました。
息子役の作間龍斗さんはドラマでは初めてお見かけしますが、
小池栄子さん、吉岡秀隆さん、小林薫さんとベテラン&中堅俳優との掛け合いでも
テンポ良く、スッと馴染んでいた所に「おおっ」と思わされましたね。
この「おおっ」は、また「俺の話は長い」の話をしちゃいますが、
生田斗真さん、原田美枝子さん、安田顕さん、小池栄子さんの中に自然と溶け込んでいた
清原果耶さんと近しいものがあります。
調べてみたら現在は大河ドラマにも出演されているそうで、
本作と合わせて今後注目される役者さんになるのかもしれません。
外(職場)では余裕を感じさせる仕事ぶりで、カリスマウェディングプランナーを演じ、
内(家庭)では3人のダメ男に世話を焼く、気の強い主婦を演じる。
万里江(小池栄子)の持つ2つの顔を交互にガッツリ描いた事が、
「こんなはずじゃなかったのに…」という現実の残念さを引き立たせているかのようで
そこにも笑えました。
「コタツがない家」の「コタツ」は、団欒を指しているんでしょうかね?
ダメ男を万里江が地道に成長させていくのか、
それとも、やがてダメっぷりも愛しいと思えてくるのかはまだ分かりませんが。
でも、父・達男(小林薫)が家にやってきた事で食卓を囲むようになったり、
リビングに集まる頻度が増えてきた辺り、変化が少しずつ見られそうです。
金子茂樹さんの描くダメだけど憎めない人物が好きなので、これからの展開が楽しみです。
ただ、一番の悩み所は裏被りで…
初回で元々期待していた作品だったから、今日はこっちをリアタイしましたが、
あっちも面白いですし、今回の話なんかは割と盛り上がっていたっぽいので
どちらを優先しようかまだまだ悩んじゃいますねぇ。
水10どちらも当たりなのは、個人的には珍しいです(笑)うむぅ…。