自転車屋さんの高橋くん 3話 感想|「ぷりちー」の破壊力
※3話(11/18放送分)の感想ですm(_ _)m
父からいつも言われる言葉「誰からも愛される良い子でいなさい」を
守り続けてきた子供時代かぁ…。
一回なら分かるけど、幼さ故に気持ちをまだ上手く言語化出来ない、
周りを観察して学んでいる段階で何度も言われるとなると、
そんなつもりはないと理解しつつも、お父さんも中々罪な人だなぁ…と思っちゃいますね。
「自分が跳び箱失敗して笑われたらどうしよう」じゃなくて
「先生が悪いって笑われたらどうしよう」という考えが
先に来ちゃうのが朋子(内田理央)らしいというか。
笑われた事でいずれ責めてきそうな先生も、いつも怒っている母親も、
子供の頃の朋子にとっては大人がみんな怖い存在に映って、
そんなある種の"トラウマ"を今でも抱えて生きているんだろう…
というのが伝わるアバンから、今回の物語は始まりました。
叱られそうだから「大人が怖い」と何となく思い続けてきた中での、
貴美子(長井短)との出会いだったのでしょう。
彼女は誰に対しても飾らないし、良い意味でサバッとした性格。
意見をちゃんと言えない事に対して注意するんではなく、
むしろ、自分を尊重する言葉をかけてくれたのが、
朋子にとっては救われた心地だったんだと思います。
そして今ではもう1人…遼平(鈴木伸之)という、一緒にいてハッとさせられる人がいます。
我が道を貫く・"気づき"をくれる・頼り甲斐がある・でも実は繊細な面も持ち合わせている
(貴美子の場合、会社を辞めると事前に決めていた辺り、
誰も知らない所でストレスを溜めていたんだろうなと)。
貴美子と「キミちゃん」「パン子」と呼び合える関係になるまでの過程を描いたお陰で、
貴美子と遼平の共通点も見えてきましたし、
その上で、なぜ朋子が、自分とは正反対の立ち位置にいる遼平を好きになってしまうのか?も
同時に描かれていて。
回想をミルフィーユ状に重ねながら、
心情変化をじっくり追おうとしている作りには、大変好感が持てました。
栄養満点でもどことなく食べた気はしないカロリーメイトを昼ご飯にしていた貴美子に、
見た目も食べ応えも満点のポテサラサンドを渡す。
遼平が通っている中華屋さんを「汚い」とは全く言わず、
気持ち良いくらいに料理を平らげる。
そんな朋子の大らかさが、誰かにとっては"癒し"になる変化にも触れているからか、
今回は2人の関係が一気に進展したのには驚きつつも、遼平にとって朋子の存在が
いつしか心の拠り所になってるんだろうなぁ…っていうのが見て取れます。
ただ、現時点は朋子視点で話が紡がれていっていますが、
遼平視点での話も見たい気もしています。
親父と2人暮らしとか、自転車屋になるきっかけとか、まだまだ謎な部分がありますしね。
まぁでも…「自転車屋さんの高橋くん」というタイトルが、
“相手から見た主人公"という体でつけられているようにも思えるのを踏まえると、
基本的には、彼女主体の話を描く姿勢を貫き通すのかもしれません。
職場の唯一の同期である貴美子がいなくなると知って心細くなり、
どんどん孤独を感じていく彼女に対して、
「うちで働くか?」「その方がともちゃんのためになるやろ」
とか言って引き抜いて転職…という流れにもなりそうですが、
それは"ドラマ"でしか起こりえない奇跡であって。
多分朋子は、職場を辞めたいと思いつつも、結局辞めはしないんだろうなぁと想像しています。
本作は日常生活での出来事がベースになっていて、奇を衒う展開はほとんどしてこないので。
遼平の支えもあって、ノーと言えない朋子がちょっとだけ強くなる…
現時点でのバックボーンの積み重ねを見ていると、
心の成長も描いてくれそうだとつい期待してしまいますね。
で、最後に余談…可愛いを「ぷりちー」って言う遼平の方がぷりちーな件について(笑)
朋子もそうですが、彼の発言も中々聞き逃せなくて、
そういう意味でも惹かれてしまう作品ですw