ドラゴン桜(2021) 10話(最終回) 感想|池井戸演出は池井戸作品でやっておくんなまし。
今朝のTwitterでうっかり記事を見かけちゃったんですよねぇ…ビッグゲストの件。
いかん!ネタバレだ!と思ってささっと他のページに飛ばしましたが、
もう目にしてしまっているので…
山P(声のみだけど)やガッキーが出演される事を知らない状態で見たかったな。
まぁ、普通だったら喜ばしい気持ちのまま終わるんですけど、
本作の場合は内容が内容なので、
このためにわざわざ呼ばれたのかと思うと…気の毒でしかなかったです(苦笑)
逆に、前作からの出演者は誰も出てこなかった方が身のためだったんじゃないですかね?
矢島(山下智久)が助け人としてどうやって動いてきたのかは後出しじゃんけんで描かれたものの、
結局香坂(新垣結衣)が何を手助けしたのかは分からずじまいでしたし。
ただ視聴率稼ぎのために出したかっただけでは?という気がしてなりません。
で、内容の方は…一言で言うなら「茶番桜」でしたね。
まず茶番だと思ったのは、最後になっても陰湿な嫌がらせをする受験生が出てきた事。
嫉妬の感情をむき出しにするようなやつが一次試験通る世界ってあり得るんですかねぇ。
健太(細田佳央太)の事を監督に報告しても、席替えの対処もしてくれないし、
再度やったのにもかかわらず強制退場もなし。甘過ぎますって(笑)
岩井(西垣匠)と小橋(西山潤)がヤンキーらしく助けてくれたのは安心しましたが、
藤井(鈴鹿央士)の手を負傷させている訳で。
警察に補導されるくらいの罰を受けてもらいたいと感じるのは私だけでしょうか。
あの2人も…スクポリ案件でしょ。
売却桜もせめて先に解決してくれたなら、まだ最終回もマシに映ったかもしれません。
いっその事、ナレーションでサクッと済ませても良かった。
でも…福澤演出なので、それにたっぷり時間使うんだろうなぁ…というのは分かってましたよ。
飛沫飛ばしまくり。机バンバン叩きまくり。急に怒りの沸点が低くなる役員たち。
ずっと見せられる無駄に長いテーブル。
「半沢直樹」を真似た演技指導や展開で尺を割いたお陰で、話が終わる頃には
「合格出来て良かったね〜!」「ああ…こっちは悔しかったねぇ…」っていう
東大専科の面々に向ける興奮やら熱い感情やらは完全に冷めてしまいました。
米山(佐野勇斗)と坂本(林遣都)がいつの間にか手を組んで寝返っていた件も雑。
つい最近まで一切出番はなく、
最終回になって「実はこうでしたー!」なんてやられても…って話ですし。
簡単に種明かしされるくらいだったら、最初っから復讐を匂わせる描写はいらなかったですよね。
無理に池井戸要素を入れて、悪役を大げさに仕立てて
逆転劇でスカッとさせるのが福澤さんの狙いだったようですが、
一部のスタッフはその作風が本作の持ち味と合わない事を察して
現場で衝突する日々が続いていたのか、
結果的には池井戸パートも勉強パートもお互いに納得のいく所まで手を掛けられず、
中途半端で終わってしまったような気がします。
思えば、バドミントン部のコーチは資格が剥奪されないままだったし、
数々のモンペは桜木(阿部寛)の発言だけで改心したし、
前回の売却賛成派の先生のくだりはなかった事になっているし、
天野(加藤清史郎)の方も知らないうちに親や弟と和解出来ていて…
おまけに、肝心の受験までのカウントダウンは
残り3話くらいはダイジェスト版のように淡々と済ませただけ。
無駄な要素が多過ぎたために、最後は爪が甘くなるエピソードばかりでした。
視聴者が味わいたいのは、受験とは関係のない"学校全体"で繰り広げられる問題に
対処していく主人公たちの熱さではなく、
東大専科の面々が勉強に打ち込んで成長していき、
やがてそれが実績という形になって現れる感動ではないかと思うのです。
本来は生徒がメインの話なはず。
せっかくの原作・続編が勿体ないとしか言いようがありません。
最後に、少し厳しい言い方になりますが、
池井戸作品に関わっているスタッフの方はもう全く別作品の続編制作に
関わらないで欲しいですし、来年いっぱいまで休んでいただきたいです。
こんなに物語が破綻していた作品でも、視聴率は13〜15%で
通常の日曜劇場枠よりも高めの数字をキープしていた事を知って、ガッカリしました。
好評だったらまた味を占めて同じ手法をやりかねない訳で、
年月が立たないうちに新しい池井戸作品(+"かぶれ")のドラマが
出てくるかもしれないと思うと、今から萎えてきます…
いつまで続くんだろうな、無駄に熱演させて怒鳴って
コッテコテな画作りにした勧善懲悪モノ…(滝汗)
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