今ここにある危機とぼくの好感度について 5話(最終回) 感想|世の中を単純にするのは愛

 

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途中から感想を書きそびれてしまってましたが、最後まで面白かったです。

 

4、5話で描かれた「サハライエカ」のモデルが何なのかは

ここでわざわざ書かなくても十分に分かるでしょう。

本作の放送は元々、去年の秋クールの予定でしたが、

当時よりも今の時期の方が某政府の動きとリンクし過ぎていて恐ろしい…。

過去に勤めた経験があるのか?実際に政府に関わっていた人を取材したのか?と思うくらい、

トップの隠蔽工作の実態をまざまざと見せられている気がしました。

 

人の命まで犠牲にしても、次世代博を強行するために

あらゆる事実を隠蔽しようとする須田(國村隼)のやり方には絶句した分、

勢力・忖度を押しのけて、自分の正義を貫こうと決意した三好(松重豊)の姿には

爽快感が残ります。

初回の頃はとにかく保守的でしかなかった真(松坂桃李)も含めて、

悪の組織に飲み込まれそうになる登場人物が「"正しい"とは何か?」を模索する事で

最終的には形勢逆転し、核心を突くと、今まで大きな存在に見えていた理事達が

案外小者だったのが分かるまでの一連の流れは、まるで日曜劇場の勧善懲悪モノを見ているよう。

 

で、何が一番潔かったかって、

「好感度なんて真実を分かってる人からだけ上がれば良い」とまとめてみせた所。

自分の身を守るためにはやっぱり好感度が大事…でも

好感度を捨てて自分らしくなれ!…と言っている訳でもない。

三好の例で言えば、私達は彼の弱さとか自信のなさとか、真の支えが励みになっているだとか

そういう裏側を知っているから、留任するのも納得のいく結果だけど、

大学側の不祥事による謝罪会見、しかもそう間が空かないうちに

別の案件でも問題を起こしている総長の姿"だけ"を知っている一般人からしたら

「なんで!?」って思うかもしれない。

それは須田も一緒で、今までヒール役の印象でしか彼を捉えていなかったけれど、

別の視点から見てみたらしっかり

「大学の未来を考えた上で行動していた」のが分かる日が来るのかもしれない。

 

人の見方なんて様々だ。自分が応援したいと思う者を応援し続ければ良い。

正義を貫いていけば、たとえそれが少数派だったとしても、

ついてくる人はついてくる。

真にはみのり(鈴木杏)がいて、三好には真がいた。

愛は好感度よりも強い…は壮大な勘違いに過ぎないけど、

この複雑に入り組んだ世の中を少し単純にしてくれるのは愛だという着地点に

不思議と心が軽くなった心地がしました。

 

みのりがまさかここまでキーパーソンになるとは予想していなかったし。

初回から描かれてきた 現実に心折れてはまた回復する真の成長はもちろん、

3話で三好の覚醒も、「一番残酷なのは善人の沈黙」という言葉も、

そして自力ではどうしようも出来ない脅威も、

諸々の要素が全て最終回に向けての集大成だったと思うと、何だか感慨深い。

 

全5話という短さで終わってしまったものの、

橋(歩道)の中央を自転車で渡る真のラストカットは、

彼のこれからの生き様を示しているようで安心させられましたね。

普通だったらどちらか片方に寄るんだけれど、あえて真ん中を通らせたのは

「世の中を単純にするのが愛だと分かると、周りの物事を俯瞰的に見られるようになる」

=中立的な立場でいられる という意味が込められているのかも?と勝手に想像してみたり。

 

理事達は悪役でも、皆個性的でそれぞれに憎めない所があって、

なぜだか愛らしく見えてきちゃう方々ばかりでした。

悪に徹さず、キャッチーさを程よく出したからこそ、

「主人公が強くなるRPG×エンターテインメント」作品として

最後まで面白く見られた気がします。

RPGと言えば、OPで流れる劇伴も「ドラクエ」のような趣が。

流れる度に高揚感がみなぎりましたね。

 

 

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