35歳の少女 1話 感想|良くも悪くも遊川脚本らしい。
好き嫌いが分かれそうな内容でしたね。
ミステリアスな劇伴と共に大きく映し出される家のカットが既に…
なぜだか遊川作品っぽさを感じさせます。
主人公・望美(子供時代:横田英怜奈)が事故に遭ってしまうという
ショッキングな展開を冒頭で見せてくるのも、人によっては中々エグいかもしれません。
状況は全然違えど、ナイーブな気持ちになりやすいこのご時世だから、
今は暗い話題は見聞きしたくない!という方は
視聴しない方が良いのかなぁ…と思ったりもしました。
柴咲コウさんと5年ぶりのタッグとうたわれている「〇〇妻」は未視聴。
でも、最近の遊川作品を見ていて思うのは、
「主人公が変わって行く話」か?「周りの人々を変えて行く話」か?
それともどちらにも当てはまる「群像劇」なのか?
全部まとめてしまえば「成長物語」が軸になっているものが多いんですよね。
それに加えて、ちょっと変わった主人公(+子供っぽい無邪気な性格付き)に、
不気味な母親に、訳ありだらけの登場人物に、親依存がテーマと…
いろんな設定が最早お馴染みになりつつある。
良く言えば「遊川さんらしい」けど、
逆に捉えれば「またこのパターンか…」とも言えるでしょう。
実際、私も望美(柴咲コウ)が理想と現実のギャップを目の当たりにせざるをえない
シーンを見て、「これは1話ごとに「初めて」を経験する
「過保護のカホコ」みたいな話になって行くのかな?」とか、
結人(坂口健太郎)は後の麦野くんになるのかな?とか、
橋本愛さん&竜星涼さんの共演も含めて過去作品と重ねてしまう部分があったから。
しかし、内容や設定は似通っていても、
主人公を応援したい、どう変わって行くのか見守り続けたいという気持ちにさせる
描写が上手いのが悔しいんですよねぇ…(笑)
キャスティングがまた演技力のある方ばっかりで、センスが良いんだ。
今回の場合は、柴咲コウさんの中に本当に子供の心が宿っているように見えました。
人の目を気にせずわんわん泣きじゃくる演技も勿論凄かったけれど、
特に印象に残っているのは、鍋を囲みながら
結人が教師だった頃のエピソードを話しているのを聞いている時の表情。
ん?何かピンときた?何か嬉しそう?などと、
その時は少しずつ変わって行く表情に注目していたのですが、
終盤の方になって「結人に教師を勧めた張本人だった」というのが分かって妙に納得。
思っている事が顔に出ちゃう所が、実に子供らしくて良かったなぁ。
初回は基本的に人物&状況紹介で尺を取られがちなので
このまま「アナザーカホコ」的な話になるのかどうかはまだ掴めませんが、
とりあえず、多恵(鈴木保奈美)があんなに冷静だったのは、
25年経っても目覚めない望美を殺して、自分も自殺しようとしていたからなのかな〜…
という気がしています。
さっきも書いたように好みは分かれると思いますが、個人的には惹かれるものがあります。
どんな結末になるのか知りたいから…っていう怖いもの見たさも含まれているのかな?
(「〇〇妻」はバッドエンドだったって聞くし…)